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19×19まで暗算できるお土産算は今すぐやめさせるべき?

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今日は音楽から離れて子供の教育について。
題名のとおりですが、19X19まで暗算でとける方法があるらしく、それが子供の教育のいいらしいのです。
そんなに新しいものでもないですかね?
私は初めて知りました。

そんな世間では知名度もそれなりにあるこの本を妻が購入してきました。
それを私が読んでみての感想です。

 

19x19までの暗算 ポイントはお土産算

お土産算という方法で暗算で計算できるようになるというものです。

もちろん九九はできるようになっていることが前提ですが、九九ができればたとえば18X15みたいな計算が暗算でできるようになるということです。
ちなみにこの答えは270です。

お土産算の方法

お土産算では、片方の1の位をもう片方にたすところから始まります。

たとえば先の例だと18 X 15 なので、15の1の位「5」を18に足します。
あげたほうはその数を引くので10になります(15−5=10)
これで23X10=230をまず最初に作ります。

続いて1の位同士を掛け合わせます。
この場合8X5=40となります。

最後にさきほどの230と40を足して270。

このように最初に1の位をあげることからお土産をもってくるようなことからお土産算とよぶそうです。

 

もう一つ例をとってみましょう。
たとえば19X17とかなかなか暗算では大変ですよね。
まず17の1の位7を19にあげて19+7=26として

26X10にして260をだします。

続いて1の位同士をかけて9X7=63

これをさきほどの260と足して 260+63=323

答えは「323」となります。

 

ただこのお土産算十の位がともに「1」じゃないとつかえないようです。
15X8では使えない。
用途は制限されています。

 

お土産算の効果

お土産算の効果は二桁の掛け算が暗算でできることにあります。
これが子供の自信になるそうです。
他の子よりも早く計算ができるというのがその理由だそうです。

 

本当に意味があるのか?

これ本当に意味あるのでしょうか?

はっきり言ってこれは子供には今すぐやめさせるべきだと思います。

きちんと原理がわかっていたら100歩ゆずっていいかもしれません。
でも小手先の道具として使うなら悪影響しかないと思います。

インターネットで検索してもどれもいい評判なのが不思議でなりません。
ということで今回どうしてもこの記事を書きたくなってしまいました。

 

意味がない理由は私は次の様に考えます

・そもそも使える状況が少ない
掛け算の概念がきちんと理解できていないと、結局2桁の掛け算は対応できない

・上の使えない場合は通常の筆算をつかうなど、場合によって使うツールが異なる

・暗算というわりには、最後の260+63のような足し算を暗算でしなければならない。いうほど簡単ではない。

・本質の理解に役立たない

 

使える状況が少ない

先にもかいたように十の位がともに「1」じゃないと使えないので対して計算の幅が広がらない。受験においても、将来の生活においてもそんな特殊状況数少ない。
そもそも二桁の掛け算の概念が理解できていなければほとんどの計算ができないのだから。

 

場合によって使うツールを使い分ける必要がある

結局そうなると、あるときはお土産算、それ以外は筆算のように計算ツールを使いわける必要があります。これはあまりスマートじゃない。
将来において多くのツールを数学などではあつかっていかなければなりません。
できるかぎりツールは系統だてて同じツールが使いまわせるのが理想ですが、このお土産算は逆行しています。

 

足し算の暗算が難しくなることも

暗算でできるというわりには最後の足し算の暗算がむずかしくなる。
紙にかかずに3桁足す2桁の計算まちがえずにできますか?
決して簡単というわけにはいかないと思います。

 

本質の理解に役立たない

なによりもこれです。ただ結果うまくいっているだけで、掛け算の本質がそこにないのが問題だと思います。本質の理解がないというのはいつか行き詰まります。

 

ということで、結局やらせないことにしました。(妻とは一揉めしましたが。。。)

ちなみに大人が雑学として使う分にはいいと思います。

 

そんなこと言ってもいい大学の先生が言ってるんだから私みたいなのが何を根拠に言っているの?といわれるかもしれません。

でも私これでも学生時代は相当に数学できてましたよ。
高校時代は数学の偏差値は70はこえていました。
計算は道具だという認識です。
子供が将来受験するとか考えると計算力が早いことにこしたことはありません。
ですが、本質は計算ではありません。思考力です。
こういったツールは思考力を停止させます。
そこが私はつかわないべきだと思う最も大きな理由です。

そしてなぜこんなに流行っているのかがわかりません。

 

ちなみに

ここまでお読みくださりありがとうございます。
ところでこのお土産算どうして成立するかここまでで考えてみました?

ちょこっと数学的に考えてみました。

AxBを計算しようとします。

ちなみに A=10+a  B=10+b    (0≦a <10  ,0≦b<10)

これが条件です。

 

AxB=(10+a)x(10+b)

  =100+(a+b)x10 +axb

  =(10+a+b)x10+axb

  =(A+b)  x  (B-b)+axb

この下線部分がお土産算になっていますね。

とこういった原理からお土産算の法則を見つけ出すお子さんがいらっしゃったらそれはすべてを理解してツールをつかっているということなので、全然使っていいと思います。